• テキストサイズ

理想のペアと自動販売機

第1章 理想のペアと自動販売機



 「オレは裏で行く」
 丸井は風船ガムをそのあと膨らませ、



 「ではオレは表で」
 木手はラケットを空中に投げ、ラケットトスをしました。結果、裏でした。



 「ふっ、オレが先だな」
 ニコニコと丸井はテニスボールを自動販売機のボールの投入口に入れ、中央あたりの押しボタンスイッチを押しました。



 すると、取り出し口から怪しげな色した中身の入ったペットボトルが出てきます。丸井はげんなりしていました。



 「次はオレの番ですね。行きますよぉ」
 げんなりした表情のまま、丸井が後ろに下がったのを見た木手が、テニスボールを自動販売機のボール投入口に入れます。



 それから、一番上の段の左上の押しボタンスイッチを押しました。木手のとき、取り出し口から出てきたものは、何とUー17日本代表監督の三船入道のブロマイド写真でした。



 それを手にした木手も、ショックを受けたような表情で固まっていました。



 理想のペアはお互い、何が出たのか聞かず、高校生⑧に借りていたラケットを返し、別れます。とりあえず、秘密の場所の自動販売機で手に入れたものは、宿舎施設の泊まり部屋にあった自分の荷物の中に、丸井と木手はお昼寝をしていたルームメートを起こさないように入れたのでした。
/ 27ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp