第1章 理想のペアと自動販売機
「オレは裏にしましょう」
「んじゃ、オレは表だな」
丸井はテニスラケットを回転させながら空中に投げ、さっとキャッチし、テニスラケットトスの結果は裏でした。
「コーヒーで答えましょうか、丸井くん」
「テニスラケットトスが裏って出たんじゃ仕方ないだろい。すみませーん、コーヒーで合ってますかー?」
丸井が高校生⑦に答えを伝えると、彼は首を横に振りました。
高校生⑦「ちがう。正解は上の段の清涼飲料水だ」
「ちっくしょい、またハズれた」
「正解はしかも、丸井くんが1回目で答えたやつですね」
高校生⑧「回答はあと1回だけだぜ。正解を当てられなかったら、ゲームオーバーでここから立ち去ってもらうぞ」
「………」
「焦り過ぎですよ丸井くん」
「別に焦ってなんか……」
「次、正解をすればいいだけのことでしょう」
「……そうだよな」
木手の言葉で心を落ち着かせた丸井は、風船ガムを膨らませ、答えを考えます。すると、あることに気付き、はっとなりました。
「どうしましたか?」
丸井の表情の変化に気付いた木手が聞くと、丸井はポケットの中に入れていたシールの貼ってあるテニスボールを取り出します。