第1章 理想のペアと自動販売機
「カンが頼りですからね。オレは中くらいの段の炭酸飲料だと思いますが、丸井くんの意見も聞きましょう」
「オレは上の段の清涼飲料水だな」
「見事、意見が分かれましたね」
「どうして、その飲み物を選んだか、話し合っているとキリがねえよな。時間が掛かるだけだし」
「こういう場合は、ラケットトスでいきましょう。地面で直接やるとラケットが傷つきますから、空中でいきます。丸井くん、表か裏か選んで下さい」
「そんじゃ、表」
「では、オレは裏ですねぇ」
と、言ったあと、木手はラケットを空中に回転させ、さっとキャッチし、ラケットトスの結果は表でした。
「表が出たから、答えは上の段の清涼飲料水と行こうか」
丸井は再び風船ガムを膨らませ、
「ええ。すみません、あなたが飲んだ飲み物は、この上の段の清涼飲料水でしょうか?」
木手が答えがこれで合っているか、高校生⑥に尋ねると、彼は両手をバツにします。
高校生⑥「ぶっぶー、答えはこっちの炭酸飲料」
と、木手が先ほど答えた中くらいの段の炭酸飲料の方を指していました。
「木手の方の答えが合っていたなんてな」
少々、悔しそうな表情を浮かべていた丸井です。
高校生⑦「次は僕ね。どの飲み物を飲んだと?」