第1章 理想のペアとカレイドスターズ
理想のペアの会話をよそに、トレーニングルームを出たレオンは廊下で黒い髪の少女と会います。
「メイか」
「ちょっといいかしら」
レオンに「メイ」と呼ばれていた黒い髪の少女は彼の近くまで来ました。
「何だ?」
「不思議なのよね。いつもは実力のある人しか興味のないレオンが、サーカス経験のない中学生くらいの子たちの特訓するなんて。ねえ、カロスに何か言われたの?」
「お前には関係ない」
レオンはメイにそう言ったあと、どこかに行ってしまったのでした。
「まあ、そう言うんじゃないかと思ったわ。もう本当にパートナーじゃないものね」
メイは寂しそうな表情でつぶやきますが、何か思いついたか、トレーニングルームに行きました。
「あれ、さっきの子?」
メイの姿に気付いた丸井です。
「こっち来ますが…」
「本当だ」
「ねえ、あんた」
メイが木手に声を掛けます。
「オレですか?」
「そうよ。あんた、さっき、隣の子が来る前にケンと話してたでしょう。ちょっと顔を貸しなさいよ」
「隣の子」とは丸井のことです。丸井は首を傾げながら様子を見ていました。
「はあ」
「木手、行ってらっしゃい」
と、丸井はジャグリングの特訓を始めようとしていましたが、
「あんたも来る!」
と、メイに強引に連れて行かれます。