第1章 理想のペアとカエル族とカエルに変身する少年
それから、アオイとマカエルに自己紹介を済ませた丸井と木手は風船のラケットをかまえ、コートに立ちます。マカエルの魔法で風船になったコート上のネットも風でユラユラしていました。
「これに勝ったら、みんな元の姿に戻るんだよな。っていうか、ボールまで風船かよい……」
マカエルの魔法でテニスボールまで風船になってしまっていたようです。丸井は呆れていました。
「サーブ、気を付けなさいよぉ、丸井くん」
と、後ろから木手が声を掛けると、
「わかってる」
丸井は風船のラケットを持った右手を振り上げ、返事をしたのでした。
「不満そうだな、少年」
マカエルがアオイに話し掛けました。
「何でオレがお前とペアなんか。このゲーム終わったら、オレも元に戻してくれよな」
アオイがぶつぶつ言ってると、マカエルは口の端をニヤリと上げます。
こうして、理想のペアとアオイとマカエルの風船のテニスのゲームが始まろうとしていました。
最初に、マカエルがサーブを打ちます。彼がサーブを打ったとき、風船のボールは高く上がり、丸井と木手の方に飛んで行きました。木手が打ち返しますが、風船のボールはゆっくり高く上がり、アオイとマカエルの方へ飛んで行ったのです。