第1章 理想のペアとカエル族とカエルに変身する少年
これには、丸井と木手は苦笑しながら顔を見合わせるしかありません。
「君たち、どこかでカエルを見なかったか?」
「あれは複数いたよな?」
次の徳川と鬼の質問にも理想のペアは答えず、苦笑したままでいました。
「ごめんね、おかしなことを聞いたね」
「カエルなんているわけがないでしょう」
「聞き間違いじゃねえとは思うが。まあいい。筋トレに戻るか」
三人の高校生が行ってから、丸井と木手は打ち合い始めます。
「まだカエルの動きになってしまってますよ、丸井くん」
ボールを打ち返すとき、反射的にジャンプをしてしまっていた丸井に言った木手です。
「お前の方こそ、カエルの動きのままじゃねえか」
と、丸井は言い返していました。木手も同じようにボールを打ち返すときや、サーブを打つとき、高くジャンプする癖がついてしまっていたようです。
けれども、数時間経つと、本来のプレーに戻った理想のペアでした。
終わり。