第1章 理想のペアとカエル族とカエルに変身する少年
「そこの少年たち」
マカエルは真顔で丸井と木手に話し掛け、理想のペアは緊張していたかと思うと、このあとのマカエルの発言と行動に拍子抜けです。
「テニスしようか」
彼はそう言ったあと、呪文を唱え、丸井と木手のラケットとコート上のネットまで風船に変えてしまいました。
「ラケットが……」
丸井は風船になったラケットに戸惑い、
「こういうのアリですか……」
木手はメガネを光らせ、風船のラケットを持ったまま固まっています。
「はい、少年の分も」
マカエルは自分の分ともう一つ風船のラケットを魔法で出し、アオイに渡しました。このとき、アオイは人間の姿に戻ります。
「マカエル、イタズラもいい加減にしろ」
アオイが怒って言うと、マカエルは一瞬真面目な表情になったあとニヤッと笑いました。
「少年たちが風船テニスに勝ったら、少年たちの仲間を元に戻してやってもいいぜ」
「オレの方も元に戻してくれるよな?」
アオイが自分の方を指さして言うと、
「うーん、そっちはオレの気分次第ってことで。少年がオレとダブルス組んだら考えようかなー」
マカエルは上を向いて言います。
「……わかった。組んでやる」
アオイは考えたあと、マカエルとペアを組むことに決めました。
「うん、そう来ないと」
微笑したマカエルでした。