第1章 理想のペアとカエル族とカエルに変身する少年
「あんた誰だ?」
丸井がきっとした表情で青年を見上げると、
「マカエルだ。まっ、魔法使いとでも名乗ろうか」
と、名乗りました。
「そちらのあなたは?」
木手が青い髪の少年に名前を聞くと、
「アオイだ。オレもあいつのおかげで迷惑しているんだ。あんたたちに頼みがある。オレとマカエルを捕まえて欲しい」
アオイと名乗った少年は、理想のペアにそうお願いします。丸井と木手は顔を見合わせ、カエルになってしまった仲間たちを見たあと、2人ともラケットをかまえました。
「あの人を捕まえたら、みんな元に戻るんだな?」
「真田くんや甲斐くんたちが元の姿に戻るには、あのマカエルって方にどうにかしてもらわなければですねぇ」
「おっと、サーブは待った、待った。少年たち、話し合おうじゃないか」
「話し合う前にここの人たちをカエルの姿にしたの誰だよ……」
アオイが細目でマカエルに言うと、
「あんな大人数で勢い良くオレを捕まえに来られたんじゃ、話し合いどころじゃなかった。ああするしかなかった」
と、両腕を組み、両目を閉じながら答えた青年でした。