第1章 理想のペアとカエル族とカエルに変身する少年
次の木手のサーブのときもマカエルが動き、今度は丸井を狙って強く打って来たのです。さすがに丸井は身動きが取れません。
「はっ!」
何と、木手が丸井をかばって打ち返しました。アオイは木手の球が拾えませんでした。
「ぴゅー」
マカエルが口笛を吹いていました。
「アドバンテージ、丸井と木手。これで2点先にリードしたからゲーム4-3だな」
「ほう、丸井と木手が優勢となったか」
ジャッカルの次に言った真田です。
「なーんだ、仲良いじゃん少年たち。強く打ち返すんじゃなかったかなー」
「マカエル、今といい、さっきの球もまさかわざと…」
アオイが聞いたあと、マカエルは舌をぺろっと出していました。
「サンキュー。キテレツ、助かったよ」
丸井がお礼を言います。
「ふん、あの程度の球、あなたが拾ってくれなくては困ります」
「返す言葉が見つからねぇ…」
「まあ、球の直撃が防げて何よりですよ」
「そう言ってくれて非常に嬉しいんだけどキテレツ、そろそろどいてくれねぇ?」
「…すみません」
木手が丸井のお腹の上をまるでのしかかった状態になっており、ぴょんと跳ねてどいた木手です。