第1章 理想のペアとカエル族とカエルに変身する少年
丸井はどうしたら、アオイかマカエルの返って来た球を拾えるようになるのか考えている様子でした。
間もなく、木手のサーブでゲームが再開します。完全に木手の球を見切っていたマカエルが木手の方に強く返しました。このままでは、彼の球が木手に直撃してしまう勢いでした。
コートは風船のままですが、ラケットとボールはミニサイズになっただけでマカエルの魔法で固めに出来ています。そのため、当たると危なくなっていました。
「木手、危ねぇ!」
丸井が助けに行ったときです。マカエルの球を何と返せました。彼らは丸井の球を拾えません。
「ウソだろ…」
マカエルはその場で固まっていました。アオイもです。
「アドバンテージ、丸井と木手だね」
幸村は微笑していました。
「一応、お礼だけは言っておきましょう」
助かったと思っていた木手ですが、素直に言えずにいました。
「一応って…」
半ば呆れ顔の丸井です。
「おーい、リーゼントのしょうねーん、大丈夫かー。悪かったー」
マカエルが謝ると、木手は首を振ります。
「いえ、当たってませんから。ところで丸井くん、どいてくれませんか?」
「あ、わり、キテレツ…」
助けに行ったとき、木手のお腹の上にまるでのしかかった状態だったことに気付いた丸井は、すぐにどきました。