第1章 理想のペアとカエル族とカエルに変身する少年
「40-15か」
と、幸村がつぶやきます。
木手がもう一度サーブを打つと、マカエルも木手の球を見切ったか、返されてしまいました。
「だめだ。取れねぇ」
丸井は拾えず、もう1点アオイとマカエルペアの得点です。
「40-30…」
ジャッカルがつぶやきました。
「丸井、何をしとるかー!」
ぴょんぴょん跳ねながら大きな声で言った真田です。
真田の声を背にラケットを丸井は構えました。次の木手のサーブをアオイかマカエルに返されても拾えるように球の動きを読むことに集中します。
「次は返す!」
丸井はそう意気込むものの、アオイから返って来た球の動きについて行くことが出来ませんでした。
「ああ、デュースになってしまったさぁ」
「次、あいつらに点が入ったら、得点が3-3に並んでしまうばぁよ…」
ぴょんぴょん追いかけっこしているみたいに、その辺をくるくる回っていた甲斐と田仁志です。
「あなたたち、何を遊んでいますか?」
木手がツッコみます。
「遊んでいるわけじゃないさぁー」
「体が勝手に動くばぁー」
「はぁ…」
木手は小さくため息をついたあと、前にいた丸井を見ていました。