第1章 理想のペアとカエル族とカエルに変身する少年
「ゴーヤー、くわすよぉ……」
カエル姿ながらメガネを光らせていた木手です。
「カエル姿でも何となくヒール似合ってんな、木手ぇ。オーラがすげぇ……」
丸井は苦笑していました。
「次はこっちのサーブか。オレは外さないぜ」
と、言ったマカエルに固唾を飲み込む理想のペアです。
マカエルは言葉通り、サーブ打ったとき、ネットを越えました。丸井と木手は球を拾おうとしますが、思ったよりボールが遠く、2人とも拾うことが出来ませんでした。
理想のペアは、マカエルの次のサーブボールも拾うことが出来ず、あっという間にもう1セット取られてしまいます。
「これでゲーム3-2だぜ、少年たち」
マカエルがサーブボールを丸井の方に投げて言いました。
「くっ、カエル姿でここまで苦戦させられるなんて…」
丸井がそう言いながら、ぴょんぴょん跳ねて木手にボールを渡します。
「このままでは勝負になりませんね。元の姿に戻してもらいます?」
木手の言葉に元の位置に戻ろうとしていた丸井が跳ねるのを止め、振り返ります。
「いや、このまま続けるぞキテレツ。そのうちカエル姿で動くの慣れてくるだろい」
「あなた、人間の姿でまたカエル相手にボールを打つのが嫌なだけなのでは?」
「それもあるけど、この姿で決着をつけたくなってきたんだ」