第1章 理想のペアとカエル族とカエルに変身する少年
「真田、何だって?」
カエル姿の真田を見たあと、マカエルに聞いた丸井です。
「丸井、相手がカエルであれ何であれ、情けを持つな。己の甘い考えを捨て、プレーしろと言ってる」
「でも……」
と、丸井が言うと、黒い帽子をかぶったカエルすなわち真田は大きな鳴き声を発していました。
「たわけがーって言ってるぜ」
「うっ、それは何となくオレにもわかった。カエルになっても迫力ありすぎだろい」
「ん、何だ?」
額にヘアバンドをしていたカエルすなわち幸村がマカエルに向かってケロケロ鳴きます。
「幸村くん?」
「何をおっしゃっているのですかねぇ」
カエル姿の幸村とマカエルのやりとりに、目をパチクリさせていた理想のペアです。
カエル姿の幸村の鳴き声が止んだあと、マカエルは少し考えたあと、理想のペアをじっと見ます。
「幸村くん、何て?」
丸井の質問を合図に、マカエルは呪文を唱えました。すると、理想のペアとマカエルは何とカエルの姿に変わってしまったのです。
丸井は赤に近いオレンジのカエル、木手はメガネをかけた深緑色のカエル、マカエルは黄緑のカエルに変身した状態でした。