第1章 理想のペアとカエル族とカエルに変身する少年
「では、あなたはこのまま彼らに負けるのですか? カエル姿の真田くんたちが一生元に戻らなくても良いと?」
「そんなこと思ってねえ。オレはただ、カエルに球を飛ばすのはちがうって言ってるだけだ」
「優しいねぇ。ああいう少年は嫌いじゃねえな」
「だが、オレがカエルになってるせいであの2人、ケンカになってるよな」
「少年、今あの2人の気持ちを考えてたらダメだぜ。ゲーム、負けていいのか?」
「くっ……」
アオイは苦しそうな表情でラケットを構えていました。ここで少年は元の人間の姿に戻り、理想のペアの言い合いは止まります。
ゲームを再開し、マカエルはサーブを打ち、木手が打ち返し、木手の球をアオイは拾えず、マカエルが打ち返しました。次に丸井が打ち返したあと、アオイが打ち返し、木手がアオイを狙って打ち返すと、点が決まります。
その次のラリーも、木手は同じ手を使い、理想のペアはもう1ゲーム点数取りました。3ー0で理想のペア優勢です。
「うーん、やっぱ少年、狙われるな。あのリーゼントの少年に弱点をつかれて仕方ねえ。少年、このゲームが終わるまでカエル姿になれ」
と、マカエルは再び魔法でバケツに入った水を出し、アオイにかけます。