第1章 理想のペアとカエル族とカエルに変身する少年
しかし、アオイはカエル姿でジャンプし、球を打ち返してしまったのです。その球のスピードが早く、理想のペアは拾うことが出来ません。
「ウソだろい……」
「カエル姿の方が強いとは……」
「赤い髪の少年たち、すっかり動揺してるな。アオイ少年はカエル姿のときの方が数倍、スポーツが得意になる」
マカエルが次のサーブを打ったあと、
「次は決めさせません」
木手がまたカエル姿のアオイの方に打ち返してしまいます。
「木手!」
ムッとなった表情で振り返った丸井に木手は見て見ぬフリです。
アオイは1回転したあと、球を打ち返し、点を続けて決めました。木手が止めずに、マカエルの打ったサーブをアオイの方へ打ち返していると、丸井がそろそろ怒ります。
「木手、いい加減にしろい。カエル姿のアオイくんに球が万が一当たったらヤバいだろ」
「だから、球の狙いをマカエルという人に変えろと? それは出来ませんねぇ」
「お前、小さい生き物によく平気でボールを飛ばせるよ」
「あなた、現実見なさいよぉ。カエル姿の彼に点を取られ続けているのですよ」
「それは、そうかもしれないけど、カエルってさ、本当ならか弱い生き物だろい。元は人間って言ってもさ、カエルに球を飛ばすってどうかと思うぜ」