第1章 理想のペアとカエル族とカエルに変身する少年
「やられた……」
アオイは悔しがります。
「赤い髪の少年、やるなー」
マカエルは丸井に感心していました。
「どう、天才的?」
丸井はピースします。
理想のペアが2ゲーム連取してからのことでした。アオイとマカエルの反撃が始まろうとしていたのです。マカエルの魔法のイタズラでアオイは水にかかり、青いカエルに変身してしまいました。おまけに、風船のラケットもミニサイズになってしまいます。
「こらー、マカエルー、何しやがるー」
「どうする?」
丸井が木手の方を振り返って聞くと、
「人間の姿に戻るまで待ちますか」
と、風船のラケットを構えたまま言った木手です。
「いいや、このままゲームを続ける」
マカエルの言葉に理想のペアは驚いた表情を向けます。
「え、カエルの姿だぜ」
「ゲームにならないでしょう」
「それはどうかなー」
マカエルはサーブを打ってしまいました。
「ふん、どうなっても知りませんよぉ」
カエル姿のアオイの方を狙い、打ち返してしまった木手です。
「よせ、木手……!」
と、丸井が止めたときに遅く、アオイの方にボールが行ってしまっていました。