第1章 理想のペアとチームQ4(キューフォー)と?
「あ、いえ、僕は綺場(きば)シオンです。こっちは執事の岩倉」
シオンに紹介された岩倉はお辞儀しました。
「わりぃ、後輩の声に似てるから間違えた」
シオンに慌てて謝った丸井でした。
「よほど、僕の声があなたの後輩に似てるのですね」
「ああ、ちょっと爽やかさも似てる」
笑顔で言ったシオンにそう言っていた丸井です。シオンはアイチたちチームQ4とカードキャピタルの新田店長の方に向き直ります。
「すみません、カードキャピタルのワゴン車がここに向かっているのを岩倉が見かけて追いかけて来ました。どうしたのですか?」
シオンの問いに答えるため、タイヤの空気を一生懸命入れていた新田店長が一旦作業を止めました。
「実はですね、出張先の公園に行く途中で道に迷って、しかもタイヤがパンクしてしまってね」
「カードキャピタルさんの行きたくて、その公園に僕も行くところでした。良ければ、公園まで乗せて行きますよ」
「本当ですか!? ぜひ僕たちを……」
と、喜ぶ新田店長ですが、ミサキが止めに入ります。
「シンさん、お客さんに送迎とかしてもらうのとかって禁止じゃなかったっけ」