第1章 理想のペアとチームQ4(キューフォー)と?
「オレもかまわない」
櫂は目を閉じ、
「オレも全然大丈夫ですよ、ミサキさん」
カムイも、元気良く返事をします。
「良かった。それを聞いて安心したよ。そうだ、あんたたち、シンさんがタイヤの空気を入れてる間、2人の相手を頼んだよ」
2人とは丸井と木手のことで、理想のペアは人差し指で自分たちの方を指していました。
「丸井くんと木手くんは、ヴァンガード初めてですか?」
最初にアイチが聞きます。
「ああ、ヴァンガードって初めて聞く」
「どういうカードゲームですか?」
丸井が答えたあと、木手が聞き返すと、
「イメージしろ」
と、持っていたヴァンガードのカードデッキを出した櫂です。
アイチたちはヴァンガードと言うカードゲームのルールを丸井と木手に教え、実際にやってみた方が早いとミサキから丸井と木手の分のカードデッキと、2台のファイトテーブルを借ります。
準備が整ったときのことです。黒のリムジンが1台、新田店長の運転するワゴン車のだいぶ後ろに横付け駐車し、丸井と木手より1つ年下くらいの金髪の男子中学生1人と執事が1人が降りてきました。
「あの、すみません」
金髪の男子中学生が話し掛けると、
「玉川!?」
と、少年の声に反応した丸井です。