第4章 (最終章)理想のペアと便利屋ダンジ
「向こうもファイトは終わった」
アイチと一緒にいる丸井たちを一瞥後、櫂は遠回しに、イベント会場を近道出来るルートは見つかったか、ミサキに視線を送っていました。
「悪いね。パンクしたタイヤ直らないし、どうしてもガソリンスタンド寄らないと、どんなに近道しても間に合わない。それに、他の近道探しても、どうしてもこのルートを通らないとイベント会場に行けなくてね、困ったよ」
ミサキが櫂に携帯のナビを見せます。
「今日のイベントは難しいな。帰るか。会場に着く時間、間に合いそうにない」
「櫂くん、困りますよぉー」
どこかへ行こうとしていた櫂の腕を両手で掴んだ新田店長です。
「あんた、まさか歩いて帰る気?」
と、聞くミサキに櫂は頷き、
「電車かバスを探す」
新田店長の手を振り払おうとします。
「かーいーくーんー」
「……離してくれ」
新田店長と櫂がわーわーしていると、婦警がピッと笛を鳴らしました。笛を合図に丸井とアイチたちも走ってきます。
「はい、そこまで。あなたたち、困っているようね。さっき便利屋さんに連絡して呼んだから、ちょっと待ってて」
「便利屋ってまさか……」
顔を真っ青にさせていたチャラ男が逃げようとすると、