第1章 理想のペアとチームQ4(キューフォー)と?
「初めまして、ボクは先導(せんどう)アイチです」
青い髪の男子中学生がおじぎをしたあと、丸井と木手も軽く会釈をし、
「櫂(かい)トシキだ」
茶髪の男子高校生が名乗ったとき、最近Uー17合宿所で行われたシャッフルマッチで高校生たちを相手にしていたおかげか、丸井と木手はつい、櫂相手に緊張していました。
「オレ様は葛木(かつらぎ)カムイだ」
小学校高学年の黒い髪の男子が名乗ると、丸井は弟のことを思い出し、木手はカムイの一人称を気にします。
「あたしは戸倉(とくら)ミサキ。シンさんとはいとこ」
ミサキが紹介を終えると、カードキャピタルの店長の新田が人差し指を立てました。
「ミサキ、ここでは店長と呼びなさい。今、自己紹介してくれた4人はチームQ4(キューフォー)。チームQ4って言うのは、ヴァンガードって言うカードゲームで組んだ4人のチーム名のこと」
「良いな、チームQ4。オレらも何かチーム名というかペア名みたいなの付けるか?」
「必要ありません」
「ちぇー」
きっぱりと断る木手に細目の丸井です。
「あの、君たちは?」
アイチが丸井と木手の名を尋ねました。櫂は真面目な顔付きでアイチの隣で両腕を組み、その横にいたミサキとカムイはにこやかな表情で理想のペアを見ていました。