第1章 くノ一とアイカツ!
「山本先生、ありがとうございました」
いちごが頭を下げ、
「私たち、もう一度、崖の方へ行ってみます」
あおいが北の山の方向を指さし、
「これだけ覚えたての術を準備しておけばドクタケ忍者隊首領を振り切れそうな気がします」
美月は山本先生から預かったアイテムの入った風呂敷を背中にしました。いちごとあおいも風呂敷を背負っています。
「心強い言葉が聞けて嬉しいけれど、あなたたち3人だけで行かせるのは心配ね。ユキちゃんたちも行ってくれる?」
「はい!」
「任せて下さい!」
「いちごしゃんたち、しっかり護衛するでしゅ!」
山本先生からの頼みを元気良く引き受け、返事したユキたちです。
忍術学園から出発したいちごたちは途中、青年とすれ違い、北の崖へ再び向かいました。青年は山田利吉でした。
「くノ一たちと一緒にいる3人、何者だ?」
と、彼はいちごたちのことを怪しんでいました。後から忍び足でこっそりついて行きます。
崖に着いたいちごたちは、初めて来たところと別の崖をよじ登りました。ドクタケ忍者隊首領の稗田八方斎はいませんでしたが、赤い忍者服に赤いサングラスをかけた数名のドクタケ忍者隊がうろうろしていました。