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【ヒロアカ】泡沫少女の歌声はどこまでも

第2章 これが私のスタートライン



オールマイトに緑谷少年と呼ばれた
目の前にいる男の子は
どう見ても疲れているように見える。

「ではあくあ少女、すまないが今は少年への特訓があるからここで失礼するよ!」

そしてオールマイトは私に背を向け
男の子の方へ駆け寄っていく。


私はその背中を見送る。
わけがなかった。

私の性格上こんなぼろぼろの人を
見て放って置けるはずがない。




『ちょ、あの、ちょっと待って!?』

「どうしたんだ?」

『彼、すごく疲れてる。少しも休憩挟まないの?』


見たところ男の子に体には
至る所に擦り傷があるし、
まだ少し息が上がっている。

そして、彼の表情を見た私は
放って置けるはずがなかった。


「あ、あの!…お気遣いありがとうございます。でも、僕は大丈夫です!もっともっと、頑張らないと…!」


「少年もこう言っている。彼の体が壊れないようプランは私が考えているし、大丈夫だ」






『…そうじゃなくて!彼、体もだけど、心がすごく疲れてるように見える』





「…え?」



彼の表情、一見力強い眼差しで
やる気に満ち溢れたように見える。

けれど私には何かに
追い込まれているように見えた。
その感情は何かを目標にする上では
すごく大事なことだと思う。

けどきっと彼はそれを長いこと続けている。
長期間その感情に追い込まれ続けるとどうなるか、私はよく知っている。だからこそ放っておけなかった。





(人に個性を使うのは久しぶりだけど……多分大丈夫)

私は胸に手を当て、大きく息を吸い込み歌い出す。

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