第28章 小さな邪心
___《プルルルッ》
なんとなく、嫌な予感がした
この前のことを思い出して。
『この番号…』
そう、この前
戦闘訓練の時にかかってきた
幼馴染からの電話と同じ番号。
ケータイを取ろうと伸ばした手を
番号を見た瞬間引っ込めた
《プルルルルッ》
鳴り止まないケータイ
でも、着信拒否を押す勇気はなくて
《プルルッ…ブチッ》
隣にいた寧人がベットの上のケータイを手に取って
着信拒否を押してくれた
びっくりした…
「大丈夫、もう止まったから」
黙ったままケータイ画面を眺めていると
そっと体を引き寄せられた
ベットの端に座って
お互い寄りかかってるような状態だ
『……。』
体温が近く感じられて、
やっぱり安心する、
寧人と一緒にいると
無言でも別に気まずくないし
この空気が心地良い
「学校、行こっか。……あくあ?」
寧人が立ち上がったその時
無意識に、私の左手が
寧人の服の袖を掴んでいた。