第11章 テメェを俺に惚れさせる
−爆豪side−
言っちまった。
我ながら結構すごいことを。
こんな事を言ってしまう程
俺はあくあに惹かれてるんだと
再確認させられて、
自分の顔が熱くなっていくのを感じた。
轟と仲良くなっている
あくあを見て焦ってた
油断してると知らないうちに
あいつのものになっちまうんじゃ無いかって
あくあも突然
こんな事言われて困っているとは思う。
さっきからずっと固まったままなあくあは
“どうしよう”と言っているようなものである
でもそんなあくあの顔を見ると
無言のままさっきよりも頬を赤く染めている
少なくとも
拒否はされていないという事は分かった。
「じゃ、覚悟しとけよ。あくあ」
ニヤリと悪戯な笑みをあくあに向けてから
俺は背中に回していた手を離し、
その場から立ち去ろうとする。
『え、待って…爆豪くん…!』
「爆豪くんじゃなくて、勝己って呼べ」
『じゃ、じゃあ勝己くん…?』
「上等だ」
引き止めようとしてきたあくあをよそに
俺は早足でその場を立ち去る。
かすかに赤くなっている自分の顔
それをあくあに見られたくなかった。