第11章 テメェを俺に惚れさせる
−あくあside−
(私…今爆豪くんにキスされてる…?!)
突然すぎて何が何だか分からない
昨日焦凍くんにされた時よりも
もっともっと激しいキス。
途中で爆豪くんの舌がぬるりと侵入してきて
初めての感覚で頭が回らない
ここは雄英高校の校内。
幸い人がほとんど通らない曲がり角の
そのまた端っこにいるため誰かに
見られるかもという心配はあまりない
というよりそんな心配をする
余裕すら無くなってしまった
爆豪くんの唇が離れて
やっと解放されたかと思うと
爆豪くんの綺麗な赤い瞳が
1ミリも目線を逸らさずに、
まるで獲物を捕らえたかのように
私をじっと見つめてくる。
爆豪くんの目…
近くで見るとすごく綺麗……
(っじゃなくて…!!)
『えっと…爆豪くん…?あの……っ!?』
爆豪くんの顔が
もう一度近づいてきたかと思うと共に
首筋に走ったチクッとする小さな痛み
昨日と同じ痛みだ。
(ていうかそもそも何でさっき爆豪くんキスしてきたの…?)
何でこのタイミングで
この疑問を抱いたのだろうか
普通はもっと早く抱く疑問だが
さっきまでは驚きすぎて他の事
考える余裕がなかったのだから仕方がない。
『っちょ、…爆豪くん…!なんで、今キス…』
「……あくあ。」
『はいっ…!?』
鋭い視線と低い声、
つい圧に押し負けそうになる。
「……テメェを俺に惚れさせる」
『へ……?』
ゆっくりと開かれた
爆豪くんの口から出た言葉は、
ストレートなようで
ストレートじゃない言い方で、
理解するのに数秒時間がかかった。