第10章 学級委員長争奪戦!
「委員長!やりたいですそれ俺!!」
「ウチもやりたいス」
「オイラのマニフェストは女子全員膝上30cm!」
「僕の為にあるヤツ☆」
「リーダー!やるやるー!!」
これは…。
騒がしいというより、うるさいな
普通科なら雑務って感じで
こんなことにはならないと思う
むしろみんなやりたがらなくて
決まらないのが一般的
でもここはヒーロー科。
集団を導くっていうトップヒーローの
素地を鍛えられる役割だ。
「静粛にしたまえ!!これは責任重大な仕事だぞ…!やりたいモノがやれものではないだろう!周囲からの信頼あってこそ務まる聖務…!民主主義に則り真のリーダーをみんなで決めるというならこれは投票で決めるべき議案!!」
「そびえ立ってんじゃねーか!何故発案した!!」
投票するべきだといいつつ
飯田くんの右手はしっかり上がっている
なんだかんだで投票で決める事になり、
「僕、4票ーーー!?」
出久くんが委員長、
百ちゃんが副委員長に決定した。
「なんでデクに…誰が…!!」
「まーおめぇに入るよかわかるけどな!」
そのうち1票私です。
って言ったら爆豪くんに
怒鳴られそうなのでこれは
心の中で止めておいた。
「じゃそういうことで決定な。これでHRは終わりだ。あくあ…じゃなくて海波、ちょっといいか」
『あ、はい!』
HRが終わると消くんに呼ばれ、
ついてこいという
ジェスチャーをむけてきたので
何も聞かずとりあえずついて行く。
人通りがほとんどない
廊下の端の曲がり角に入ると、
お互い壁を背中に
向かい合うように立ち止まった。
『で…何か用があるの?』
「…昨日の戦闘訓練、使えたみたいだな、個性。」
『うん…!使うまでにちょっと手こずっちゃったけど…』
使えたと言っても
使えたのは最後の最後だったし、
もっと初めから使えていれば
勝利の方法は他にあったかもしれない。
「でも、お前にとっては大きな一歩だろ」