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【ヒロアカ】泡沫少女の歌声はどこまでも

第9章 無防備すぎるお前が悪い。




『って、焦凍くん大丈夫?!ごめんわざとじゃなくて、無意識で…』

呼吸を落ち着かせた私は勢いよく水を
ぶつけてしまった焦凍くんの方へと目線を移す
わざとじゃないとはいえ折角焦凍くんも
雨に濡れた体が乾いてきていたというのに
また水で濡らしてしまった。


「ふっ…お前、いくらなんでも威力強すぎだろ」


ふっと笑った焦凍くんは
自分の濡れた前髪をかき分けて、
私の方を見てそう言った。


(焦凍くん、今、初めて笑った…!?)


たしかに今、彼は笑った。


学校にいるときも2人で話してた時も
全く笑わなかった焦凍くんが。


焦凍くんは外見も中身もイケメンだし、
とっても優しい

けど、表情はどこか氷みたいな、
冷たい目をしていた。

そんな彼が、笑ってくれた

その表情を見て私はつい見惚れてしまう

俗に言うギャップ萌えとは
こういうことなのだろうか。


(イケメンの不意打ちの笑顔…破壊力すご…)


「さっき、突然襲ってわりぃ…」

『う、うん…ちょっとびっくりしちゃった…。私こそ水ぶっかけちゃってごめん』

「いや、あそこで水ぶっかけてくれて助かったよ。…あのままだったら抑えられたかわかんねぇ」


正直私も個性が発動してくれて
助かったかもしれない。

あのままだったら私…

なんとも言えない空気感になったものだから
空気を変えようとその場から立ち上がる。

『…と、とにかく!!このままじゃ今度こそ風引いちゃうから…お風呂入ってきていいよ?』

「……あぁ、そうだな。」


焦凍くんがお風呂場に向かったのを確認すると
私はもう一度ソファーに座り込む。

(あぁぁぁびっくりした!!!ほんとに…)

一度冷静になったものの、
さっきまでの事を思い出してしまって
また顔が赤くなる。

でも、焦凍くんはなんで
あんなことしてきたんだろう。

考えてみたけど考えれば考えるほどさっきの事を思い出してしまうのでやっぱりやめた。

『だめだ…一回忘れよ…』

そのままちょっとソファーに横になると
だんだん眠気が押し寄せてきて
私はそのまま眠りについた。

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