• テキストサイズ

【ヒロアカ】泡沫少女の歌声はどこまでも

第7章 春なのに、あつい



『あの頃の私の個性に人を殺せる程の力はなかったんだけど…ヴィランの攻撃で既にボロボロになってたから…私がトドメを刺しちゃったことになるの……』

私があの時個性を使わなければ、
両親はまだ生きていたかもしれない

どれだけあの選択を後悔したことか。

「そんな過去が…」

『このことを知っているのは、あの時すぐそばにいたイレイザーヘッドとリカバリーガールだけ。』

絶対誰にも言わないようにとは言われていない

ただ私のために2人は
この事実を黙っていてくれた

私を世間の目から守るために。

私の親はヴィランによって殺されたことになっている。こんな話は簡単に人にしてはいけないけど、これと同等な、いや、それよりも重い秘密を知ってしまった気がしたんだ。

オールマイトと緑谷くんの秘密。
彼らの秘密を知ってしまった今、
彼らが私の秘密をばらすことも絶対にないだろう


「そうか…そんな辛い過去を思い出させてしまってすまないな…」

『謝らないで!私が俊くん達の会話聞いちゃったのが悪いから…、私も2人の関係は言わない、だから私のこの過去も誰にも言わないで欲しい」

「分かった。今聞いたことは誰にも言わないと誓うよ」




「俊くん??」


話がひと段落したところで、
出久くんが不思議そうな表情で
私を見ていることに気がついた


(あっ、そっか、いつもの癖で…)


私は昔からプロヒーロー達とは顔見知りが多く
あだ名とかくん呼びとかが定着しちゃってて
気を抜くとそっちで呼んでしまう。

みんなの前では呼ばないように気をつけてたけど
保健室だとつい気が抜けちゃって…。


『あっ、えっと、私昔から訳あってヒーローには知り合いが多くてさ!時々昔からの呼び方で呼んじゃうんだよね』

「ええええすご…!!羨ましい…」


ヒーローオタクの出久くんは
キラキラした目でこちらをみてくる。


(羨ましい…か、)


『…じゃあ…私そろそろ行くね。出久くんの治療っていう用事も終わったし!』


あんまり長居してると
余計なことまで言ってしまいそうだったから
ここで話を切り上げた。

『折角プールの許可も貰ったし早く行かなきゃ。あ、あと私が個性で治癒出来る件についてもまだ他の子には言わないでね。それじゃ、また明日!』


「あ、うん!ありがとうあくあちゃん。また明日ね!』

/ 241ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp