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【ヒロアカ】泡沫少女の歌声はどこまでも

第7章 春なのに、あつい


−轟side−


『あの…轟くん、近い!あとなんでずっとこっち見てるのっ…!』

まただ。

また俺は声をかけられるまで海波を
見つめてしまっていることに気づかなかった。

暑さに弱いと言うから俺の半冷半燃で
冷やしてやろうと思っただけだったのに、
目が合うと何故か目が離せなかったんだ。


「あ、悪い。…目の色、綺麗だなと思って。」


水色の…水晶玉みたいに綺麗な色
海みたいな色。

緑寄りの水色の目は俺の左目の色と
少し似ている気がする。

ただ、きっと俺の目はこんなに綺麗じゃない
同じ色をしていても、
海波のものは無意識に見入ってしまう。


『なっ…!?』


海波の顔をよく見ると
少し赤くなっているのがわかった。

もっといろんな表情が見てみたい
海波の事をもっと知りたい

今まで誰かに興味を持つことなんて
ほとんどなかった俺が
なんでそんなことを思うのかなんて
自分でも分からない。

でも、
彼女ともっと仲良くなれたら、って。


「おいお前らイチャついてんじゃねーぞ!!」


そんなふわふわとした空気は
紫頭のやつにかき消された。

たしか峰田、とか言ってたな

俺と海波の目の前でわーわー騒ぎ出した。
ついでに周りの男子も加わってくる。

「なんだと?!ずりーぞー轟!!」

「別に、海波、暑さに弱くて体調悪かったみたいだから俺の個性で冷やしてやってたんだよ」

「うわーーこれだからイケメンは…」
「ずるいよなぁ…」


これ以上反論しても多分意味がなさそうなので移動することにする。ちょうど休憩が終わると次は第二試合。俺の番だ。


『あ、轟くん!!…さっき、ありがとう!試合頑張ってね!』

ベンチから立ち上がり移動しようとした時
海波がそう言った。

教室で見た時は遠かったから
あまり感じていなかったけど、
近くから見る海波の笑顔は
何故か安心感を与えてくれた。



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