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【ヒロアカ】泡沫少女の歌声はどこまでも

第6章 ヒーローを目指すと決めたから


−爆豪side−


右、デクは読んでた。
読んだ上で訓練に勝つ算段を…

(そりゃつまり…ガチでやり合っても俺完全に、デクに……)




『爆豪くん?…爆豪くんてば!!!』




「あ゛…?あぁ、テメェか…」


どうしようもない感情がふつふつと
湧き上がってきておかしくなりそうだった

そんな時あくあに名前を呼ばれ、
とたんに俺の中で駆け巡っていた感情は
少し収まるような気がした。

なんでこいつの声が聞こえた途端に
心が楽になるんだ

屋上の時だってそうだ。
歌声を聴いているだけで、
負の感情はどこかへ行ってしまった。



『ほら、早く戻ろう?』



そう言ったあくあはふらふらと歩き出す。


「っあくあ!」


その後ろ姿を眺めていた俺は
考える間もなく動いていた。

床に転がっている建物の破片に躓いて
転びかけたあくあを後ろから
腕で支えて重心が俺の方へくるようにした



「おい、大丈夫か」

『ご、ごめんありがと…』



(こいつなんでこんなふらふらしてんだ?)



あくあの顔をよく見ると
顔色もあまり良くないように見える。


『…今、初めて名前呼んでくれたね』


(…は?今それ言うかよ。)



体調悪いのかと思えば
いきなり訳のわからないことを言ってくる。

でも、無意識だった。

躓いたあくあを支えようと
手を差し出したのも、
彼女の名前を呼んだのも。

あくあは嬉しそうに俺の方を見てきやがる


(…なんか調子狂う)


「……んなことどーでもいいんだよ‼︎てめぇはまず自分の体調を心配しろ!」


『あ…はい、ごもっともです…』


これはモニタールームに
向かう途中に聞いた話だが
あくあは暑さにものすごく弱いらしい。

空気があったまっていた建物の中に
長時間いたために
こんなふらふらになっていたと。



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