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【ヒロアカ】泡沫少女の歌声はどこまでも

第6章 ヒーローを目指すと決めたから


-轟side-


(あいつ、何で個性使わないんだ?)


この疑問は緑谷に向けたものなのか
海波に向けたものなのかわからない。


だが、個性把握テストの時のことを考えると
緑谷が個性を使っていない
理由はなんとなくわかる


ボールを投げた後、
緑谷の指は赤く腫れあがっていた
きっと個性を使った反動なのだろう


それに今緑谷は個性を使わずとも
爆豪に立ち向かっている。


反対に海波は
ずっとその場に立ち止まったままだ。

とくに緑谷と爆豪の間に
入っていくわけでもなく、
核兵器のある場所に
向かっているわけでもない。


ハンデはあるが
戦うことは許されているはずなのに
ずっと下を向いたまま動く気配がない。



(推薦入学者ってのは、本当なのか…?)



「あくあちゃん、どうしてなにもしないのかしら…」
「さっきからずっと下向いたまま立ちどまってるけど…?」



この疑問を抱いたのは俺だけじゃない
みんなの頭の中にははてなが浮かんでいる



「彼女は過去に自分の個性で辛い経験をしているから、戦闘することをためらっているんだろうな」



みんなの疑問に答えるように
オールマイトが口を開いた



「辛い、経験…?」

「細かくは言えないが、彼女はトラウマを抱えてるんだよ。でもそれを乗り越えるためにこの学校に入学を決めた」




その時、



『出久くん!!!!』




海波が突然爆豪の前に飛び出した
同時に大きな水流が発生して
モニタールームへとつながるカメラに直撃する


「わっ?!」
「何々?!」


突然の出来事にモニタールームにいる
クラスメイトは驚いた顔をしている

何が起きているのか見ようとするが
水が直撃しているせいで画面の向こうで
何が起こっているのか分からない。




『大丈夫?!出久くん!!!』




やっと見えるようになった画面を見ると
そこには突き当りの壁に
勢いよくぶつかってよろけている爆豪と





緑谷の前に立っている海波の姿があった。



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