第4章 ヒーロー科と新たな出会い
(なんか、午前中だけでも疲労が…)
そんな事を思いながら目の前を見て
ぼーっとしているとその景色は
1人の男の子によって遮られた。
「ここ、座ってもいいか?」
『え?…あ、うん!いいよ!』
目の前の席に座ったのは同じクラスの轟くん。
4人分の席をとる時とれる席が
横に4席しかなかったため
目の前の席に座られてもとくに問題はない。
問題はないのだが…
こんなイケメンと2人きりなんて緊張しかない。
教室の座席は隣だけどこの距離で
真正面から顔を見たことはなかったから
気づいてなかったことがある
(轟くん、オッドアイだ…)
イケメンで紅白色の髪にオッドアイって…色々すごすぎる。
(きっと個性もめちゃくちゃ強いんだろうな。)
轟くんの個性を見たことがあるわけじゃないし
確証もないけど、私にはそういう風に見えた。
「海波?…俺の顔になんかついてるのか?」
『へ…?』
「いや、ずっとこっち見てたから…」
『あぁ、相変わらずイケメンだなぁと思って…』
声をかけられるまで気づかなかった
さっきから私は彼を見つめたままだったらしい。
(って、え??あれ?私何言ってんの?!)
『い、いや!あの、えっと、そ、蕎麦美味しそうだなぁって!』
誤魔化すの下手か!!って
自分で自分にツッコミたくなった。
「蕎麦…一口食べるか?」
『えっいいの?』
一口くれるというので
つゆと一緒に差し出された麺をぱくっと食べる。
『わ、美味しい!』
彼の差し出した麺を受け取るのではなく、
何の躊躇いもなくそのまま食べた私。
イケメンだなぁとかほざいてた
自分の言葉を誤魔化そうと焦っていたせいか
我ながらすごい恥ずかしい事
してることに気づいた
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