第27章 私の、気持ち…?
–No side–
ヒーロー殺しに気づかれないよう
あくあは高度を上げて
すぐ横の建物の屋上に降り立った
そして、個性に精神を集中させる
『大丈夫、私なら出来る』
いつものように水を創り出すと
その水を弓矢の形に変化させた
しっかりと弓矢を構え、
矢の先をヒーロー殺しにむける
そう、これが、職場体験中に得た力
創り出した水を、武器に変える
___________
これはつい昨日の事…
「今日は二人には、個性の幅を広げる特訓をしてもらう」
『個性の幅を、広げる??』
今日もパトロールに行くのかと思いきや
突然練習場のような
広い場所に連れてこられた私
最初に問われたのは
私の水の個性は形を作ることはできるのか
という事だった
形というような形を作った事はなかったけど
ある程度、渦や段差など
ざっくりとしたものなら作った事がある
そしたら
「武器とか作れたらかなり強いんじゃない?」
って言われて。
___は?
って思ったよね。最初は。
だって水は水だもん
武器作れるわけないじゃん。
って思ったけど、
案外できないこともなかった
私は水と同時に泡を作る事もできる
つまり、水圧とかも自由に操れるのだ
だから、水圧を強くすれば
硬い物でも作れるんじゃない?!
という思考に至り、そして
_________
今に至る。
『当たれっ!』
あくあの打った水の矢は
ヒーロー殺しに直撃し
そのまま壁に打ちつけられた
そして路地裏にいたメンバーは
矢が放たれた上空を見上げる