第26章 職場体験と波乱の幕開け
『え、どういう事?』
私は私じゃない…??
「今のあくあは、男の子だ。そうだな…今から君の名前は、ルイだ。」
『え??』
「変装しても中身が女の子じゃ意味がないでしょ。ほら、試しに口調も男の子にして名乗ってみてよ」
名乗ってみてよって言われても…
まぁ確かに、男装して変装しても
“私”とか言ってたら意味ないけどさ
『お…俺の名前はルイ、よろしくな!』
…………。
何となく、少し声を低くして言ってみた
チラッと啓くんと常闇くんを
交互に見ると
何故か二人とも何も言わず私をみている
『え、ちょっとなんか反応してよ!!』
「いや、思っていたより違和感がないなと…」
啓くんよりも先に、常闇くんが口を開いた
思ってたより違和感ないって
それ褒めてる???
なんて疑問を抱きつつも
啓くんの方に視線をやる
『啓くん??』
ずいっと近づくと、
私より背が高い啓くんと視線が合った
「…うん、これなら変装もバッチリだね。まぁー可愛さがちょっと抜けきれてないけど。じゃ、パトロール行くから二人は俺を後ろから追いかけてきて」
啓くんがやれと言ったからやったのに
反応薄っ!というかこの人
さりげなく可愛いって言った?!
なんて事を考えてる間にも
啓くんは翼を広げて空に飛び立って
常闇くんはしたから走って追いかけ始めていた
『ちょ、待ってー!!』
私も個性で波を作って
その波に乗るようにして二人を追いかけた