第25章 ホントは分かっていたとしても
『……その先は…言わないで…。今の私にはまだ、答えられない』
「どういう意味だ」
そりゃそうなるよね
告白を遮られるとか訳がわからないと思う
『…ごめんっ!』
「おい!」
かと言って理由を話すわけにもいかず
思わず走って逃げてしまった
『…私っ…分からないよ…』
校門から学校の外に出て
後ろを振り向かず全力で走る
好きとか、付き合うとか
やっぱり私には無理
だって、それって
その相手は特別になるってことじゃん
『特別………』
私にとって特別な人は…
消くんだけで良かったのに
『……ケホッ…ゴホッゴホッ……やばい、
頭痛い…』
家まで走った後、
ドアを開けた途端に気が抜けたのか
気にしないようにしていた症状が
一気に襲いかかってきた