第4章 ヒーロー科と新たな出会い
–爆豪side−
なんなんだアイツ。
俺が、討論で押し負けた…?
女子に??
追いかけてきたかと思えば
謝れだのお礼言えだの、
あんな奴は初めてだ。
今まで俺にしつこく話しかけてきた
女子なんざ少し怒鳴るだけで
逃げてったってのに
アイツは真っ直ぐ意見をぶつけて来た
「あくあ、自己紹介は昨日一通りしたから、お前今自己紹介しろ」
『えっ今?!…分かった。えと……海波あくあです!!昨日は訳あって出席してなかったけど、これからよろしくお願いしますっ!』
ニコッと微笑んだ彼女は、
みたことのないくらい眩しい笑顔だった。
アイツはこの教室に入ってから
初めて笑った
彼女が笑っただけで教室の空気が
ふわっと暖かくなった気がする。
「私芦戸三奈!よろしくね〜あくあちゃん!」
「あくあちゃん、俺上鳴電気、よろしくね!」
「俺は切島鋭児郎、よろしくな」
そんな中、クラスの連中は
個々に自己紹介を始める
その後海波の周りにはすぐに
人だかりができて囲まれていた。
いや、ないだろ。
いやいやいや、ありえない
この俺が、あんな奴に……?
『君、名前は?』
「…は?」
今まさに頭を抱えて
悩んでる最中だってのに
海波は俺に話しかけてきやがった
『は?じゃないでしょ、名前を聞いてるの!』
「…………爆豪勝己。」
『よろしくね、爆豪くん!」
海波はニコッと笑った。
さっきとは違く、俺に向かって。
”えー同じクラスなのー“
とか言ってたお前はどこいったんだよ
なんだよその眩しい笑顔
ありえない、そんなはずはない。
そう自分に言い聞かせた。