第25章 ホントは分かっていたとしても
俊くんがいじるもんだから
出久くんはガバッと起き上がった
『ちょっと俊くんてば、出久くん今安静にしてなきゃいけないんだから!』
「ごめんごめん。…それで、緑谷少年はもう大丈夫かい?」
「…はい、あくあちゃんのおかげでもうすっかり治りました!」
出久くんは姿勢を正すと
ベットの脇に腰をかけた
「そろそろ決勝戦が始まる、折角だから2人ともみてきたらどうだい?」
「行きます!!」
決勝戦かぁ…
確か、焦凍くんと勝己くん…
もうなんか組み合わせを見ただけで
すごい戦いになるんだろうなぁ
と予想がつく
「あくあちゃん、怪我治してくれてありがとう」
『全然良いよ、見学の私の役割だし!私も決勝見に行く!』
バッと椅子から立ち上がると
出久くんと私は
自分のクラスの座席に向かった