第25章 ホントは分かっていたとしても
『それにしてもすごかったねー、焦凍くんとの対決。左側まで使わせるなんて。…だけど、これは出久くん無茶しすぎ!治癒である程度は治しておいたけど相当酷かったよ?』
「…それ、リカバリーガールにも言われたなぁ」
『でも……きっと出久くんは、焦凍くんの事を救おうとしてたんでしょ?』
「…___」
私の問いかけに出久くんは
何か答えようとしていたけど
《ガチャ》
部屋の扉が開いた音とともに
その言葉も遮られた
「失礼するよ、緑谷少年の様子は……」
ドアの方を見れば
オールマイトが立っていて
出久くんの様子を見に来たようだった
「……あ、もしかしてお邪魔だったかい?」
『へ?』
「え?」
俊くんの目線の先は、私の膝
私としては治癒する時に
距離が近い方がやりやすいから
という理由でこの体勢だったけど
改めて他の人から見られると
なんだか恥ずかしくなってきた
『あっ、えっと、これはその、治癒の一貫で!!』
「緑谷少年も隅に置けないねぇ」
「違いますっ!」