第25章 ホントは分かっていたとしても
《一回戦!成績の割になんだその顔ヒーロー科緑谷出久!!対ごめんまだ目立つ活躍なし普通科心操人使!!ルールは簡単、相手を場外に落とすか行動不能にする、あとは「まいった」とか言わせても勝ちのガチンコだ!!》
大きな歓声の中、マイクのアナウンスとともに
トーナメント戦が始まった
(あれ、オールマイト?)
廊下を歩いているとステージの入場口の辺りで
そっとステージを眺めているオールマイトがいた
「振り向いてそのまま、場外まで歩いていけ」
声を掛けようとしたところで
ステージ場の出久くんの異変に気づいた
向かいにいる心操人使
という人が言った言葉に応じるように
出久くんがこちらに向かって歩いてきたのだ
洗脳の個性…どこかで聞いたことがある
『え、出久くんこっち来ちゃダメだよ!!来たら負けちゃうよ?!』
「あくあ少女?!」
思わず私も入り口ギリギリの
ところまで走っていった
だけど出久くんとの距離は
どんどん短くなっていって
このままじゃ…
『止まって!!出久!!!』
私がそう叫ぶと同時に
大きな爆風がステージ場に起こった
《_____これは、緑谷とどまったぁぁぁぁ!?》
そして、出久くんは
場外ギリギリのところで踏みとどまった
指を暴発させ個性を使い
無理矢理洗脳の個性を解いたのだ
それからは力勝負で、
出久くんが心操という人を
場外に放り投げ、勝負は幕を閉じた
《緑谷くん、2回戦進出!!》