第25章 ホントは分かっていたとしても
『次はついに1対1のトーナメント戦かぁ…』
お昼ご飯を食べた後、くじ引きで
トーナメントの組み合わせが発表された
目の前に表示された表を見た時
一回戦、出久くん対…
“心操”
という2人の名前が目に入った
そして2回戦には焦凍くんの名前が。
つまりもし出久くんが一回戦を勝ち抜いて
焦凍くんも勝ち抜けば、
次は確実に焦凍くんと当たる
『まさかこんな早くに2人が戦う事になりそうなんてねぇ…』
そんな独り言を呟きながら
会場裏の廊下を歩いていた時
階段を降りようと一歩前に足を出すと
一瞬体が宙に浮いたような感覚がした
『わっ…!?』
「っと…大丈夫か?!あくあ!」
その感覚もつかの間、
気づいた時には後ろから
焦凍くんに手を引かれて
寄り掛かるように立っていた
『え?あれ、私今…』
「階段から落ちそうになってたぞ…?少しは気をつけろ」
そうか、私今階段踏み外して…