第23章 青と赤と灰色と
−物間side−
『わっ!?ちょ、何…ん…っ』
「僕の気持ちは変わってないから」
思わず勢いであくあに
キスしちゃったけど
『……ふ、不意打ちずるい!!』
反応からして
嫌がっているという感じではなかったから
少し安心している自分がいた。
自分でもびっくりするぐらい
僕は相当あくあに惚れているらしい
だけど、
あくあにもし好きな人がいて
幸せに過ごしているならそれでいい
って思ってたのも本当だ。
多少はその可能性も覚悟してたし。
(轟焦凍と爆豪勝己…)
あの2人は多分、
あくあの事が好きだ
2人のあくあを見る時の目は
他の人に向ける視線とは違う、
どこか優しいような、
そんな目をしているように感じた。
(当の本人はあんまり気づいて無さそうだけど)
「じゃ、そろそろ帰ろうか。家まで送るよ」
『え?わざわざ平気だよ_______』
「いいからいいから。」
遠慮するあくあをよそに
僕はあくあの机にあった鞄を
手に取るとそのままドアの方へ歩き出す。
『あ!それ私の鞄!やっぱり寧人ってずるい!』
僕が鞄を持っていることに気づいたようで
あくあは後ろからすぐに追いかけて来た
こうすればあくあは
僕を追いかけざるを得ないはずだ
とか考えてる僕って、
たしかにずるい性格してるよな。