第23章 青と赤と灰色と
「あはは、動揺しすぎ」
『動揺してないからっ!』
落としたノートを拾いながら
そう答える
動揺してない!と言いつつも
明らかに声のボリュームは大きくなって
絶対動揺してるだろお前、
と自分で自分にツッコミたくなる
「…じゃあ聞くけどさ。僕を振った時、“冷めたから”とは言ってなかったよね?」
『うん…?』
「僕の事、今はどう思ってるの?』
『それは…』
「面倒な理由とかはなしで。あくあの正直な気持ちが知りたい」
“どう思ってるの?”
そう改めて聞かれると、よく分からない
確かに別れた理由は
冷めたからって訳じゃないし
かといって今も好きかどうかと聞かれると
なんと言ったらいいのか…
多分、面倒な理由とかなしで
そういう事を考えるのが怖いんだと思う
何かと理由をつけて
そういう感情から逃げてきた
今更向き合うなんて…
「それともやっぱり好きな人ができた?」
『いや、そういう訳じゃ_____』
「爆豪と轟…」
『なっ、なんでその2人が出てくるの?!勝己くんと焦凍くんは
ただのクラスメイトだし…』
自分に言い聞かせるように
“ただのクラスメイト”
という言葉を強調した
「もし今のあくあに好きな人がいて、その人と楽しく過ごしてるならそれでいいと思ってた…けどそうじゃないんなら遠慮するつもりはないからね?」
『寧人……?』