第4章 ヒーロー科と新たな出会い
–緑谷side−
何事かと思いきや、
突然A組教室で討論が始まった。
それも、かっちゃんとあくあちゃんの
あくあちゃん、初めて会った時から
肝が据わってるとは思っていたけど、
あのかっちゃんを相手に
全然動じないなんてすごすぎる…
「あの子、爆豪相手に討論してる…」
「ていうかめちゃくちゃ可愛くね?!」
「爆豪珍しく押し負けそうになってるし」
そんな感想がちらほら聞こえてくる
多分A組全員が思っているであろうことは
“あの爆豪と討論している”ということだ。
初対面だろうがなんだろうがとりあえず
爆破して勢いで押し勝つような人に
知らない美少女が全く動じず言い返している。
「……あーーーーもうわーったよ!!さっきは悪かった。拾ってくれてどうも」
ついに諦めたかっちゃんが
あくあちゃんに謝ってお礼を言った
(あのかっちゃんが女の子相手に折れた…!?)
相変わらず愛想は悪いが
あのかっちゃんにその言葉を言わせるなんて
「さすがあくあちゃん…」
『あれ、出久くん?!』
討論がおさまってホッと息を撫で下ろすと、
あくあちゃんが僕の名前を呼んだ。
同時にかっちゃんとあくあちゃんに
向いていた視線も僕の方へ向かってくる。
「「「出久くん!?!?」」」
「おい緑谷!この美少女と知り合いなのか?!」
「お前はきっと、仲間だと思ってたのに…」