第23章 青と赤と灰色と
『……あのっ…勝己くん、近い…んですけど…』
目を逸らしながらそう言って
チラッと勝己くんの方に視線を戻すと
「………」
勝己くんは一瞬ニヤッと笑った気がした
(そ、それどういう表情?!)
その後無言のまま私の耳元で
「…今ここでキスしたろうか?」
勝己くんはそう囁いた。
『なっ……もーーからかわないでっ!!』
「いっ…て、おいコラあくあ!」
色々とびっくりした私は
勢いで起き上がると
そのまま顔面から勝己くんに衝突した
(ほんっとに、心臓に!悪い!)
「今のは勝己くんが悪いもん!!」
「2人とも…大丈夫かい?」
私と勝己くんの言い合いが
始まろうとしたところで
オールマイトの声がして中断された
地面に落下した私たちのもとに
クラスメイト達も駆け寄ってくる。
『あ、はい、大丈夫です!』
私はさっきの一連で動揺しているのを
隠しながら即座にそう答えた。
「あくあ…、さっき、自分の個性を消される感覚はなかったか?」
『……?』
消くんにそう質問されて
私は立ち上がりながら首をかしげた
個性をけされる感覚…??
「…あくあの個性が暴走しかけた時、俺は確かに個性を使った」
『……それって…』
「…お前の個性、思っている以上にかなり厄介なものなのかもしれない」
消くんの個性が、
通用しなかった…?
私も周りのみんなも
何を言えばいいかわからなくて
僅かな沈黙が流れる
「まぁ、今の一回でそう決めつけるのは早い。…とりあえず、残りの戦闘訓練終わらせるぞ」
その後残りの戦闘訓練が行われた
私もベンチで観戦していたけど
消くんの言っていた言葉が頭から離れなくて
みんなの戦いはあまり頭に入ってこなかった