第23章 青と赤と灰色と
−あくあside−
勝己くんの攻撃を避けた後
またあの時みたいに
個性が暴走しそうになった。
自分で制御出来なくて
無意識に威力が増していく
そんな時に、
勝己くんが私を呼ぶ声が聞こえて
気づいた時には勝己くんに抱きしめられたまま
背中から地面に落下していた。
『私っ…また…!』
「…っもう、平気だ」
落ちる瞬間に閉じた瞼を開けると
すぐ目の前には勝己の顔があって
あれ、背中から落ちたのに頭痛くないな?
と思っていたら
勝己くんが左手で私の頭を守ってくれていた
『また助けられちゃったね…、ありがとう』
私が勝己くんの目を見てそう言うと
勝己くんはじっと私を見て
何か考えているみたいだったけど
「…怪我してねェか」
結局何を言おうとしていたのかは分からなかった
『うん、頭は守ってくれたし…。左手で私の頭を守りながら右手で地面への衝撃緩和って、流石勝己くんって感じだね…!お陰で怪我はしてないよ!』
「なら良かった」
あと、一ついいかな
助けてくれた事には
すごく感謝してるんだけど…
『……あのっ…勝己くん、近い…んですけど…』
はたからみれば勝己くんが
私を押し倒してるみたいな体勢で
周りにはクラスメイトもいる
そういうつもりで
この体勢になってる訳じゃなくても
恥ずかしいものは恥ずかしい。