• テキストサイズ

【ヒロアカ】泡沫少女の歌声はどこまでも

第22章 私の知らない幼馴染





《ザザーーーッ________あ、よかった繋がった。もしもし聞こえてる?あ、返事はしなくていいよ。聞いてくれればいいから》




(誰…………?)




雑音が消えると今度は
男の子の声が聞こえて来た。

少し高めの声で、
多分同い年くらいの男の子だと思う




(でも、どうして私のケータイに…?)





《久しぶりだね、あくあちゃん。僕の事覚えてるかな?ま、10年も前の頃のことだし覚えてなくても仕方ないけど。》





『………なぎ、さ…?』





咄嗟に口から出たその名前

私の幼馴染の名前だ。



昔会ったことがある男の子で、
私の事をあくあちゃんと呼んで、
自分の事を僕と呼ぶ、

そんな人がいるとしたら
心当たりはそれしかない



10年前に突然姿を消した、私の幼馴染。




《わ、覚えててくれたんだ、嬉しい!まさか電話越しに分かるなんてびっくりだよ。…でも、それなら話が早くて助かる》




『え……本当に渚沙なの…?』


私はそう問いかけるけど
電話越しの彼は何も答えず話を続ける





《昔…“一緒にヒーロー目指そう”って、“僕の個性をすごい”って、そう言ってくれたよね。あくあちゃんだけは僕の個性を知っても味方でいてくれて、すごく嬉しかった。






…………でも、もう全部諦めたんだ》




昔の話を知っている…
つまり彼は、本当に渚沙なんだ。




でも…


『全部諦めたって何…?』






/ 241ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp