第22章 私の知らない幼馴染
–あくあside−
_______プルルルッ♬
『わっ!?そうだ、さっき着替える時急いでたから間違えてポケットに入れたままだった!!』
鳴り響くケータイの電話音を止めるため
私は慌ててポケットからケータイを取り出す
画面を見ると、そこに表示されていたのは
知らない番号だった。
「あくあちゃん、どうかしたの?」
突然の通知音に驚いたクラスメイトが
こちらを向くのと同時に
近くにいた出久くんがそう訪ねて来た
『電話が来てるんだけど、知らない番号で…』
私のケータイに電話が来る時は
大抵消くんか寧人の2人だったけど
消くんは今ここにいるし寧人は授業中なはず
他にいるとしたら、
この前緊急用にも役立つってことで
連絡先を交換しておいた
出久くん、焦凍くん、勝己くんだと思う
でもその3人も今この場にいる。
そして何より、
今表示されている番号には見覚えがない
なんだか胸がざわつくような、
根拠はないけど、少し嫌な予感がした。
_________プルルルッ、プルルルッ♪
『鳴り止まない…』
「あくあ、貸してみろ。俺が出る」
着信拒否も応答もしない私を見かねて
消くんがそう言ってくれた。
『消くん…うん、お願い』
正直着信拒否ボタンを押す勇気も無かったから
消くんが出てくれると言うのはすごく助かる
《ザーーーーーーッ》
応答ボタンをタップすると
ザーッという雑音が聞こえてきた