第21章 次の訓練は1対1
−no side−
「ならいい。ほら、もうすぐ昼休み終わるぞ。着替えに行ってこい」
相澤はあくあの頭をポンっと撫でてそう言って、
『うん…!じゃまた後でね!』
あくあも満足そうに笑顔で職員室をあとにした。
だが、相澤もあくあも昔から距離感は
こんな感じだったから特に気にしていないが、
ここが職員室である事には変わりない
つまりその会話を見ていた教師もいるわけで…
「ちょっとちょっと〜職員室でイチャつくのやめてくださいよ〜!」
「は?ただ会話してただけじゃないですか」
ニヤニヤしながら話しかけて来た
ミッドナイトに相澤はそう答えるが、
「え、もしかして無意識!?もう、少しは気をつけておいたほうがいいわよ?」
「気をつけるって…あくあは妹みたいなもんなんですから会話するぐらいいでしょう」
「いや…2人の事情知らずにあの会話聞いてたら完全誤解されるわよ?そんな事になったら大変…」
でも確かに相澤から見れば
あくあは妹だとしても
実際血が繋がっているわけではないし
誰かに勘違いされて訴えられたら
一発で教師クビになりかねない
それは相澤も分かっている、
けど、あくあは1人で抱え込むタイプだから
あくあに寄り添ってあげたいと思うと、
つい甘やかしてしまうのだ
職員室の中でこんな会話が
行われていることなんて知らないあくあは
いつも通りコスチュームを手に取り
更衣室へ向かっていた。