第19章 君にはやっぱり、隠せない。
『そういえば、寧人はもう
進路とか考えてるの??』
「んー、とりあえずヒーロー科を
目指すってことは決めてるよ」
『ヒーロー科……』
ヒーローを目指す人は多い
むしろほとんどの学生が目指すのではないか
というぐらい人気の高い職業。
彼もその1人だった。
でもこの言葉を聞いた時
私のトラウマが蘇った
ヒーローは、いつ死ぬか分からない。
もしまた大切な人を失ったら
私は立ち直れるだろうか
そして、ヒーローを目指す彼のそばに
こんな危険な個性持ちの私は
いるべきではないのではないか。
それから中学2年生の夏、
『寧人。ごめん、別れよう』
「別れるって…急にどうしたんだ?!」
『もう一緒には、いられないの。だから、今までありがとう。楽しかったよ…!!』
この日を境に私は学校へ行くのを辞めた。
電話もメールも全部無視。
私のせいで足止めしないように、
私の事を忘れてもらうために。
そして私は、もしまた何かあった時のために
ひたすら治癒の練習。
二度も大切な人を失わないように。
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そうして今に至る。
『…私のためだけじゃない…
寧人のためでもあるの!!だから』
「僕のため?…そんな事僕は頼んでない」
いつにも増して真剣な表情、
昔から私はその目に弱い。
その目で見られると、
どうしても本音が漏れてしまう
でも今ここで本音を言ったら…