第18章 今私が伝えられる事
−あくあside−
『寧人……本当に雄英の生徒なんだ…。』
何秒間か、私と寧人の間に沈黙が流れた
きっと、お互い言いたいことがなんなのか
分かっていたからこその間。
「あくあ───」
『一昨日!!……倒れた私を運んでくれたのって寧人だよね?ありがとう。それと、私の事はもう気にかけないで欲しい。じゃ、それ伝えに来ただけだからっ…!』
私は寧人の言葉を遮ってそう伝えると
そのままB組を立ち去った。
こんな事わざわざ伝える必要なんて
ないかもしれない
けど、そう伝えないと彼は、寧人はきっと
ずっと私の事を気にかけてくれる
迷惑はもう、かけない
私はもう、寧人の彼女じゃないから。
「待て」
『…?!』
走ってA組に戻ろうとすると
A組のドアを開けたところで寧人に
後ろから腕を掴まれ廊下に引き戻された
『…離して』
「離さない」
『離してってば…!』
「1年半も音信不通だった人にやっと会えて、離すわけないだろ?」
普通、音信不通になった人の事
ここまで気にかけないよ。
『…迷惑、かけたくないの。お願いだから、もう私に近づかないで』
ちょっとでも油断したら私はきっと
すぐ寧人を頼ってしまう
だから、
これ以上言葉を交わしちゃダメな気がした。
「突然いなくなって、再開したら近づくなって、僕が黙って受け入れるとでも思った??」
『…っ』
寧人にそのまま壁に追いやられて
左右を両手で塞がれて逃げることができない
(突然いなくなったこと、相当怒ってるよなぁ…)